コウノトリ

 かつてはコウノトリは日本各地にいたらしい。ツルと同じく渡り鳥で、ツルよりもやや暖かいところが好きらしく、ツル(北海道のタンチョウを除く)は夏はシベリア、冬は九州に来るが、コウノトリは冬はベトナム、夏は日本で過ごしていたらしい。が、例によって激減し、30年ほど前に野生のコウノトリは絶滅。日本の人口減少も原因がここにある?で、最後のコウノトリが住んでいたのが、兵庫県豊岡市。絶滅直前になってあわてて保護・繁殖を図った。トキと同じようなもんだが、トキよりは若干マシで、今は百数十羽にも増えたんんだそうな。そろそろ野生に戻すフェーズに進むらしい。でも、渡り鳥なんだからものすごく難しいんじゃないかな?


 コウノトリ。羽を切ってあるので、柵からは出られない。豊岡は湿地帯。田んぼが広がるが、市内中央を流れる丸山川は、豊岡は日本海から10kmもあるのに標高差は2mもない。川というよりも入り江。たぶん縄文時代どころか、奈良時代でも海だったはず。その周囲の湿地に住むフナやドジョウを食べてコウノトリが繁殖していた。が、川は固められ田んぼには農薬がまかれると、コウノトリも絶滅した。

 ちなみに豊岡の隣が城崎。昔、国語の教科書にあった「ハエの死がいを毎日見ながらブツブツ思った」という面白くない話の舞台がここ。温泉にしばらく滞在出来るというのも驚きだが、温泉にきて観光にも行かずにハエの死がいを毎日見たってバッカじゃないかと思った。こんなつまらないことを書くだけで、温泉に長期滞在できるほど小説家ってのは優雅な商売なのかと思った。けど小説家は志望しませんでしたけど。


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